ETV特集「ルポ 原発作業員~福島原発事故・2年目の夏~」をみて


Eテレの特集「ルポ 原発作業員~福島原発事故・2年目の夏~」を見た。
まったく信じられないような、現実が映されていた。

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【番組説明】福島第一原発では、事故から1年たった今も、毎日3000人を超える作業員が事故収束作業にあたっている。その6割が地元福島の人だ。震災や放射能汚染によって、多くの人が仕事を失った。故郷を放射能に汚染されてなお、原発での仕事を生活の糧にせざるを得ない現実がある。作業員たちは、どのような状況に置かれ、どんな思いを抱えているのか。福島県東部の浜通りにある2つの下請け企業の協力を得て、その日々を見つめた。
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自分の住む街が放射能で汚染され、企業の撤退、人口減少などで職を失った人々。
それでも生まれながらの家族が住む地元を離れることを出来ない人たち。
そんな人達が収入のために原発の収束作業にあたっている。

作業員の被ばく線量は国で定められていて、
5年間で100ミリシーベルト(マイクロではなくミリ)とされている。
この値自体とんでもない数字だが、番組に取材された作業員は、
1年間で35ミリシーベルトの被ばくをしていた。

被ばく自体の健康被害への不安はもちろんあるだろうが、
あと65ミリシーベルト分しか働くことが出来ないことをなげいていた。

会社によっては、その日の被ばく量によって
被ばく手当をだしている所もあるらしい。
0.1ミリシーベルトに対して1,000円。
通常の人場合、国は年間被ばく量限度を1ミリシーベルトに定めている。
その10分の1が1,000円で取引されている。

絶対に何かおかしい。
本当に狂っている。
でもこんな現実がある。

家族を支えるために、そんな選択を強いられている人たちがいる。
経済的弱者にしわ寄せがいっている。

「そんなのその人が選んだ道だから」なんて言う人もいるだろう。
そういうことじゃ無いと思う。
そんな環境で働かなくてはいけない人々が生まれざるをえない社会は
絶対におかしいと思う。

原発事故の問題について、国や社会そして自分たちも含め、
責任をもって考え行動していかなければと、
強く感じさせられた番組だった。

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